癒しの音楽編 (愛の誓い=エンゲルベルト・フンパーディンク)

エンゲルベルトの歌は、『太陽は燃えている』で一度紹介しました。が、この曲と同様、『愛の誓い』もエンゲルベルトのために作られた曲ではありません。そもそも、最初にこの曲を取り上げて、ヒットさせたのは、ベルト・ケンプフェルトという人で、楽団指揮者です。1,960年代は、演奏だけの曲が、ヒットする時代がありました。以前紹介したパーシー・フェイスもその一人です。

 このジャケットには、『愛の誓い』は入っていません。このレコードを持っているのですが、パソコンに上手く写真を取り込めず、ネットの写真を利用しました。

目次

Ⅰ エンゲルベルト・フンパーディンクについて

Ⅱ 癒しの音楽編 (愛の誓い=エンゲルベルト・フンパーディンク)

Ⅲ どうして、聴いてしまうのか。

Ⅰ エンゲルベルト・フンパーディンクについて

 エンゲルベルト・フンパーディンク(1936年5月2日~)は、父親の仕事の関係でインドで生まれ、イギリスのレスターで育ちます。確か、10人位の兄妹がいたそうです。小さい頃、通信簿に「複雑なコンプレックスに悩む内気な少年」とまで書かれた事から、親が心配し、彼にサクソフォーンを買い与えたそうです。何しろ級友から、獅子っ鼻と言われ、いじめられたそうですから、悩むのは当然ですが、通信簿にこんな事を書くというのは、昔とは言え信じられません。

 それから、彼は、音楽に夢中になり、パブでサックスを演奏するまで上達したそうです。ティーンエイジャーの時。いつものようにそこで、演奏しようとすると、客が急に、「歌を歌ってくれ」としつこくはやし立てられたそうです。仕方なくアーノルド(本名)は、意を決して、知っている曲を歌ったところ、客から拍手喝采を受けます。アーノルドは、自分が歌えるという事をこの時初めて知ったのです。

 それから、彼は、色々なところで歌う生活がはじまります。が、レコードは出しますが、まるでヒットしません。その間、結核にもかかります。

 イギリスの音楽界は、ビートルズが出てきて、ロックバンドブームが起きます。ローリング・ストーンズ、ハーマンズハーミッツ、アニマルズ、ウォーカーブラザーズ等、たくさんのバンドが乱立します。

 その中で、デビューしたのが、トム・ジョーンズです。トムは、パワーあふれる独特のだみ声とリズム感、そして、派手なステージアクションは、エルビス・プレスリーにない個性がありました。そこで、出したのが、『思い出のグリーングラス』です。この大ヒットを受けて、トムのマネージャーだったゴードン・ミルズが、二匹目のドジョウとして、売り出したのが、エンゲルベルト・フンパーディンクです。

 彼の本名は、アーノルド・ジョージ・ドーシーと言いますが、どうして、こんな名前にしたのでしょう。多分、トムにはない上品でエレガントな雰囲気があったからだと思います。クラシック好きな人は、オペラ『ヘンゼルとグレーテル』の作曲家として有名な人ですが、名前を無断で借りたそうです。

 そして、最初の小ヒットが出ます。ベルギー1966年に『ドマージュ、ドマージュ』という曲がヒットします。次に、ヒットしたのが1967年に出した『リリース・ミー』です。このヒットは、ロックばかりを聴かされた人々(大人)が、久しぶりに聴いたスロウなロマンチックバラードだったのでしょう。多分癒された人も多かったのではと思います。この曲はイギリスで56週連続チャートインして、ギネスにのりました。また、ビートルズの、チャート一位を阻止した曲としても、知られています。

 その後次々とヒット曲を連発したエンゲルベルトは、トム・ジョーンズとテレビショーを行います。

 私は、そのショーを観て、トムよりエンゲルベルトをよく聞くようになりました。というより、たまたま見ただけで、当時、放送が夜の11時でしたので、15歳当時の私は、遅いという事で、あまり観る事は許されませんでした。当時は、外国のショーというと、アンディ・ウィリアムズしか観ていなかったので、アンディより遥かにソフトであり乍ら男性的でパワフルな歌唱に憧れを覚えたものでした。

 エンゲルベルトは、何度も来日しましたが、お金がない私には、レコードを買うのが精いっぱいで、北九州に来た時も観に行く事は出来ませんでした。今から、考えると本場のショーを観るチャンスを逃し、後悔しています。私が世界中の色々な曲を聴くようになったのは、彼の音楽を聴くようになったからです。スティービー・ワンダー、カーペンターズ、ビートルズ、ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、アンディ・ウィリアムズ、エルビス・プレスリー、トム・ジョーンズ、シャーリー・バッシー等書きだしたら止まりません。彼は、ジャンルを問わず、色々な歌を歌っています。私にとって音楽の窓といったところです。ブログで紹介したオペラを聴くようになったのは、彼を聴き始めた頃です。彼のLPには、上記の歌手の歌やカンツォーネ、そしてオペラアリアの主題を元にした楽曲などもあったからです。私は、色々な歌を聴く事で、世界中の音楽を旅して聴いてまわっているような気分に浸っていました。本当に幸運だったと思います。

 現在、エンゲルベルトは、86歳になります。が、声が衰えたとはいえ、未だに世界中をコンサートするために、周っています。彼は、キングオブロマンスという異名があります。キングオブロックンロール(エルビス)、キングオブポップス(マイケル・ジャクソン)、と言われるように、イギリスでは、伝説的な扱いをされているようです。

Ⅱ 癒しの音楽編 (愛の誓い=エンゲルベルト・フンパーディンク)

 長くなりましたが、今日の本題です。この曲は、英語で『Till』という題名で親しまれています。この曲が世界で知られるようになったのは、トム・ジョーンズが歌い始めてからだと思います。もちろん、エンゲルベルトも歌ってはいました。が、シングルとしてレコード化はされていません。ですが、ラスベガスのライブアルバムで、この曲のさわりを歌っていた事もあったので、いつか、一曲通して聴ければと思っていました。そういう思いが50年も過ぎ、とうとう聴ける日がやってきました。去年の11月21日です。深夜、YouTubeでエンゲルベルトの歌を聴いていると、突然、『愛の誓い』の動画のサムネイルが出てきたのです。最初、まさかそんなことある?と半信半疑でした。サムネイルを押すと、彼独特のソフトにレガートで歌い乍ら、それでいて力強い歌が聴こえてきたのです。

 『愛の誓い』の原語の歌詞を知っている方は、多分、私と同世代か、もっと年上だろうと思います。この歌詞を知っている方は、『愛の賛歌』と似ているような歌詞だと感じた方も多いのではと思っています。ここでは、歌詞の内容には触れません。(文章が長すぎたため) どちらにしても、素晴らしい歌ですので、聴いてみてください。できれば、色々なアーティストと聴き比べてみてください。

Ⅲ どうして、聴いてしまうのか。

 息継ぎが全く聞こえない歌

 歌を歌うためには、必ず、息継ぎを充分にしないと、か細い声になったり、息継ぎの音が聴こえて苦しく聞こえたりします。しかし、エンゲルベルトの歌には、全くそれがありません。息継ぎが聴こえないのです。息継ぎが聴こえないという事は、彼の声と伴奏だけに耳を傾ける事が出来ます。しかも、ビブラートが少な目で、クライマックスを迎えた時に伸ばすロングトーンは、サクソフォーンの音を聴いているような気さえします。

 クライマックスを迎えた時の凄み

 エンゲルベルトの歌の特徴がよく出ているのは、『ラブ・イズ・オール』です。声の高さは、テノールのように高くはありませんが、声が全くぶれずに伸びている事が分かります。しかも、フォルテで歌うので、長く歌うのは極めて困難ですが、平気で、20秒位は、伸びます。ライブを聴いた人の感想では、悪寒が走るそうです。また、卒倒するそうです。多分、どこで、息継ぎをしているか分からないので、一緒に歌っている気分でいると、そうなるのでしょう。通常ロングトーンに入る前、必ず、大きく息を吸いますが、そういう雰囲気を全く感じないのです。全く不思議な歌手です。

 

 私は、エンゲルベルトの歌をいつか卒業して、他の音楽を聴いてみようとつとめました。確かに、彼より歌のうまい歌手は、たくさんいます。そういう人の歌を聴けば聴くほど、どう言う訳か、彼の歌が聴きたくなってくるのです。特別な美声でも、声域が特別広いわけでもなく、歌が、特別上手い訳でもありません。でも引きつけられるのは何故でしょう。男性の自分が言うのは可笑しいですが、声に包み込まれてしまうエネルギーを感じてしまう自分がいるのです。彼は、そういうハートウォームな声を持っているのだと思います。彼のファンクラブは、世界最大の規模を誇っています。何故か、それは、彼が、コンサートに来てくれたファンに対し、いつも、愛を持って皆を包み込んでしまうからだと思います。

 Neospacefuuでは、このように皆様を包み込んでしまうようなエネルギーを持つ場所にしたいと思っています。興味のある方は、是非ともお問い合わせください。

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