癒しの音楽編 (ナット・キング・コール)

今回、曲名は挙げませんでした。あまりにもヒット曲が多く、どれが代表曲と言っていいかわからなかったからです。彼(1919~1965)は、アメリカのジャズピアニストで歌手です。本名は、ナサニエル・アダムズ・コールと言います。ヒット曲は、『モナリザ』『アンフォゲッタブル』『ラブ』等多数あります。日本でも、テレビで、ワンマンショウをしています。確か、1963年です。YouTubeでその動画が見られます。彼は、かつて、紹介したことのある、クルーナーです。(マイクを巧みに使って歌声を聴衆に届ける歌手の事)当時のアメリカの人気歌手は、大半が、低音歌手だったようです。

目次

Ⅰ ナット・キング・コールについて

Ⅱ ヒット曲、名曲の数々

Ⅰ ナット・キング・コールについて

 コールは、アラバマ州モンゴメリーで生まれ、父は牧師、母は教会のオルガン教師でした。その為コールは、オルガンを12歳まで習います。1939年にピアノ(ナット)、ギター、ベースでトリオを組み、活動を始めます。このトリオがきっかけで、トリオバンドが流行します。コールは、ピアニストとして、高評価を受けますが、彼の艶のある歌が買われ、歌の活動もするようになったようです。1948年、結婚後、TVにも多く出演し、広く大衆的に人気を得ます。

 1950年代以降では、やはり、『モナリサ』『スター・ダスト』『ルート66』『トゥー・ヤング』『ホエン・アイ・フォーリン・ラブ』『ネイチャー・ボーイ』『スマイル』『ランブリン・ローズ』『L-O-V-E』等があります。

 ピアニストである彼が、何故歌う事を始めたのか?それは、バンド結成当初、客席から歌のリクエストがあっても、「僕ら3人誰も歌わない』と断っていたそうです。ところが、出演したクラブの支配人から、「なじみの上客から注文が入ったから歌ってくれ。」と懇願され、仕方なく歌ったのが、歌手、『ナット・キング・コール』の誕生の瞬間だったそうです

 この話、エンゲルベルト・フンパーディンクの話とあまりにも似ているのでびっくりしました。彼も、出演したパブで、客に歌をしつこく頼まれて仕方なく歌ったのが歌い始めた最初です。こんな似た話、別のアーティストで話すことになろうとは、夢にも思いませんでした。そういえば、エンゲルベルトは、先ほど紹介したコールの歌を数多く歌っています。シャイだったエンゲルベルトは、コールに対して親近感というか強く惹かれるものがあったのかもしれません。本人自身も、インタビューで、彼の曲をよく聞いていたことを話しています。そういえば、コールもエンゲルも数人のお子さんを持っていたようです。子供好きだったようです。

 彼の声は、特別どこかの音楽教育で、トレーニングを受けて、作り上げた声ではありません。ですから、声量やこぶし等を巧みに使った歌い方は一切ありません。しかし、歌に対する真摯さや情熱がどの歌にも感じることが出来ます。何より、言葉の子音をとても大切にしています。そのささやくような語り口で歌う曲の美しさは群を抜いています。つい、マネしたくなるような気もします。そういえば、美空ひばりも彼を尊敬し彼の歌を取り上げていたようです。ずいぶん昔の話ですが、日本の音楽番組の最後によく『L-O-V-E』を合唱していた事を思い出します。もちろん、日本語歌詞で。今では、そんな光景は見かけなくなりました。残念です。 

Ⅱ ヒット曲、名曲の数々

 これから彼の思い出の名曲を紹介していきます。

 『モナリサ』

 この曲は、『モナリサ』の絵を題材にしたアメリカの白黒映画でこの曲が流れていたように思います。間違っていたらすいません。確か、この曲は、ラジオから流れてきます。内容は、全く覚えがありませんが、あまりにも曲が、美しかったので覚えています。私も、カラオケでたまに、歌っていました。

 『スターダスト』

 この曲は、シャボン玉ホリデーのエンドロールで、ザ・ピーナッツが歌っていました。最初は、ピーナッツの歌だとばかり思っていました。ハナ肇が、ピーナツの二人にダジャレのような事を言った後に二人から肘鉄砲をくらうところがなんとも面白いし、楽しかった。

 『ルート66』

 これは、ジョージ・マハリスが主役でルート66を車で疾走するシーンから始まっているような気がします。TVでは、俳優本人が歌っていると思います。これも、白黒でした。この国道を上から見るシーンから始まりますが、どこまでも続く地平線を見て、このアメリカの大きさや底力を感じました。

 

 『トゥー・ヤング』

 この曲は、どちらかというと、ダニー・オズモンドの歌で覚えました。子どもが歌うのと、大人が歌うのでは、こんなに雰囲気が違うのかという感じがします。ダニーは青春そのものを感じますし、コールは、大人が歌うので、昔を懐かしむ忘れじの感傷といった感じでしょうか。

 『ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ』

 この曲は、上の曲と共に、色々なアーティストに歌い継がれています。ラブソングの定番とも言うべき歌です。それこそ、ダニーも歌っています。トム・ジョーンズ、エンゲルベルト等です。シャ—リー・バッシーも歌っていたと思います。更に言うと、ドリス・デイ、ジョニー・マティス、リック・アストリー、セリーヌ・ディオンとクライブ・グリフィン、アン・マレー等です。定番というべき所以ですね。

 『ネイチャー・ボーイ』

 これは、映画の主題歌だったと思います。タイトルは、『緑色の髪の少年』のようです。1948年の映画だそうです。歌は、その前の年にコールが歌ってヒットさせています。随分古い歌ですが、メロディーが美しい事とあまり聞かないメロディーラインなので、耳に残るようです。その理由は、作者が、エデン・アーベいう人で、ヒッピーが作った曲だからかもしれません。あちこち、放浪しながら浮かんだ詞と曲だったのでしょう。コールは、どうして、この楽譜を見つけたのかわかりませんが、見て直ぐ気に入り、演奏したそうです。ユダヤ関係のメロディーだという事もネットに書いてありました。

 『スマイル』

 ユダヤと言えば、この曲もユダヤ人であるチャップリンが作曲したものです。コールは本当にいい曲を見つけ歌っています。この曲は、1936年の『モダンタイムス』の曲です。コールの作品がヒットしたのは、1954年だそうです。マイケル・ジャクソンのカバーでもよく知られています。

 『ランブリン・ローズ』

 スローでしっとりした曲が多いコールですが、この曲は、珍しく明るく少しアップテンポの曲です。1962年の曲です。全米2位まであがり、大ヒットしました。男心を弄ぶ女性の心をバラに例えた歌詞になっています。まともな女性に戻って欲しいという願いを込めて歌っているのかもしれません。聴いていると笑みが零れてきそうな楽しい曲です。

 

 L-O-V-E

 最後にこの曲について書くのは、たまたまですが、私の、今の心情を全て表しているような曲になっています。コールは、この曲を歌い録音し、45歳の若き命を閉じます。それだけに、彼の、音楽や周りの人との深い愛情を強く感じます。何しろ、この曲を世界中の国の言葉で録音しリリースしたのですから。もちろん、日本語でも。

 ここに、その日本語歌詞を書いて35回目のブログを終わります。今、外国のアーティストが、日本語で歌ってくれるなんて聞いたことがありません。そんな愛あるナット・キング・コールにこの歌を歌って、感謝の気持ちを表したいと思います。

Lと書いたら Look At Me

Oと続けて OK

Vは優しい文字 Very Good

Eと結べば 愛の字 L-O-V-E

Loveは 世界の言葉

Loveは 二人の宝

愛し合えば 明日(あした)も明るい

Love

Love Your  Love

I Love  You

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