草取りの翁編Ⅲ

草取りの翁編

今回は、ついに巨大な木の株が抜けましたのでその報告です。もう二週間くらい前になります。私は、相も変わらず、草取りや木の株を取り続けています。その中で、びっくりした事がありましたので、その話を二つ書きます。この二つの話に出てくる方達には、本当にお世話になり有難く思っています。そのお礼をしたいのですが、このブログを書きながら、どうしたらよいかと迷っている所です。

目次
Ⅰ 草取りをしていると、励ましてくれる人々
Ⅱ 木の株を取る手伝いをしてくれた人
Ⅲ 励ましてくれたのは、義父の友人だった
Ⅳ このつながりを大切にすること

Ⅰ 草取りをしていると、励ましてくれる人々


 私は、ご存じのように、毎日のように草取りや木の株を取っています。涼しい時はいいのですが、この夏は、本当に辛い。息が上がります。草取りをしていると、見知らぬ方から「暑いのに大変ですね」とよく声をかけられます。また、ある程度、草取りが済むと近所の方から、「だいぶ、綺麗になりましたね。」と、言われた事もあります。私は、誰かから励まして欲しいという気持ちはありませんが、やはり、こういう言葉を聞くと力がわきます。何げなく「暑いですねー。」というただの挨拶でさえも、元気が出るのです。
 つい最近まで、そんな挨拶をしながら、草取りをしていたのですが、ただの挨拶から大きく変わる、私にとって大きな出来事があったのです。今から考えるとあれが大きな変わり目だったような気がします。
 ある日いつものように草取りをしていると、近所の方が来られて、「その木もう邪魔のようだから、切ってしまおうか?」と言われたのです。私は、兼ねてから切ろうと思っていたので、すぐ同意しました。同意すると、そのお二人は、何分も経たないうちに、切ってしまいました。それだけでなく、切った枝は、その二人が処分もしてくれたのです。
 また、こういう事も良くあります。草取りをしていると、近所の方が、畑で取れた野菜をたくさん持ってきてくれます。葉物野菜やキュウリや大根などです。ミカンもあります。もちろん、おいしく食べさせてもらっています。とても、有難く感謝しか言う言葉がありません。

Ⅱ 木の株を取る手伝いをしてくれた人


 二週間くらい前になります。我が家でかなり大きな木の根っこを取る作業にとりかかりました。直径が、50センチはあります。まず、周りの根をスコップでおこしながら、鋸で、少しずつ切断していきます。
 中々切れない根っ子は、鋸で傷を入れて大きなハンマーで叩きます。近所中に叩いた音が響きます。汗がとめどなく滴り落ちます。単純作業が続きます。一通り周りの根を切ったところ、近所の方から声がかかりました。いきなり「手伝いましょうか。」の声。私は、力の限界に達していました。私は、間髪入れずに「助かります。」と返事してしまいました。お隣さんは、直ぐに木の株を取るのに必要な道具を持って来られました。株をおこすのに使う角材や取った後の根の間にある土を取るヘラなどです。私は、角材を使って、てこの原理で株をおこそうとしました。四方からその角材を使っておこします。根気強く続けているうちに、株は、動き始め、とうとう抜けたのです。なんだか、小学校の教材の「おおきなかぶ」を思い出しました。しかし、抜けたのはいいけど、その後の処理をどうするかです。考えあぐねていると、お隣さんは、「バラバラにして少しずつ燃やしてあげよう。」と言われたのです。有難い。心の中で叫びました。とは言え、庭の隅には、今まで取った、枯れ枝や根っこが無数にあります。私は、処分したいものがまだ、たくさんある事を告げ、見せたのです。すると「大丈夫。暇だから、少しずつ処分しよう。」と引き受けてくれたのです。

Ⅲ 励ましてくれたのは、義父の友人だった


 ある日、家の近くの道路沿いの土地の草取りをしていると、遠くの田んぼから何か心配そうに、見つめる複数の視線。その視線の方向にある軽トラックが、私の所まで来ました。「ここの土地は、あんたの土地?」「いえ、違います。」と私。「なら、どうして?」「ここは、草取りをしないとゴミのポイ捨てが多くて大変なんです。」と、また私。私に問いかけたご老人は、何か怪訝な顔をしています。隣には、夫人らしき人が乗っています。
 別の日、また、草取りをしていると、何か大きな機械音がしています。気になった私は、その田んぼまで出ました。その音は、稲刈りの音でした。この間のご夫人が、近くでその様子を見ていました。私は、思い切ってその夫人に話しかけました。米は、今自分がいる地域の米が一番おいしいという話。ところが、食べている米は、どこの米かわからないまま食べている事。収穫したお米は、どうしているのかなど話を伺いました。そういう話をしているうちに、一袋お米を売ってくれるという事になったのです。私は、約束の日にご夫婦の家を訪ね、お米を売ってもらいました。それは、60㎏の米で玄米のようです。かなり安い値段でした。そこで、ご主人と色々話をする中で、生前義父と親しかった事、なんと母と知り合いだった事等がわかったのです。話の終わりに、ご主人は、私に、仕事をする時は、疲れたら直ぐに休むこと。きついまま続けたら身体に良くない事。ご主人は、農家の仕事を休みながら少しずつやってきたから今でも元気でいられる事等を話してくれました。後で、この話を母に話すとご主人は、90歳くらいだと分かりました。背筋が伸び、顔色も良く見た感じでは、せいぜい70代後半という感じです。いまでも、元気で農業をされている姿に感動しています。私は、草取りを始めると、息つく間もなく続けていました。ご主人の戒めとも言うべき言葉を大切にして、ボチボチやっていこうかなと思うようになったのです。
 

Ⅳ このつながりを大切にすること


 私は、ただ、一所懸命に草取りをしていただけです。そして、その様子に気付いた人達がたくさんいたのです。その人達が、たくさんのミカンをくれたり野菜をくれたのです。自分で言うのは少しおこがましいですが、草取りをしている時のエネルギーが周りの方達に伝わり、こういう事になったのだと思います。このような地域の人達を大切にし、これからも繋がっていきたいと考えています。私は、どちらかと言うと、何でも一人で取り組み人に相談するという事はありませんでした。人との関係が煩わしくなるからです。しかし、この年になると、仕事に行ってないこともあり、他人と話すことがどれだけ大事なことかが少しずつ分かってきました。せっかく築いた関係です。この関係を大事にしていきたいと思っています。

 9月3日直方花火大会を観に行きました。何十年ぶりに近くで観る花火は、やはり素晴らしかったです。 やはり感動は、自分から行動しないと産まれませんネ。草取りと同じかなあ?
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