癒しの音楽編 『ラヴァース・コンチェルト』サラ・ヴォーン

この曲の原曲は、バッハが作曲したものと言われています。ネットでは、サンディー・リンザーとデニ—・ランドル作のポップシングルとなっています。この二人の作者は、バッハの『メヌエット ト長調』を基にして書かれたとも。現在では、クリスチャン・デフォートの作品であると言われています。誰が作曲したにしても、コンチェルトの雰囲気を持った素晴らしい歌曲に仕上がっているのには違いありません。サラ・ボーンの歌ったシングルは、日本では特に人気があるようです。

目次

Ⅰ サラ・ヴォーンについて

Ⅱ 癒しの音楽編 『ラヴァース・コンチェルト』サラ・ヴォーン

Ⅲ ポップスになったクラシックの名曲

Ⅰ サラ・ヴォーンについて

 サラ・ヴォーン(1924~1990)は、アメリカの黒人女性ジャズヴォーカリストです。ソプラノからコントラルトまで、幅広い声域を持ち、美しいヴィブラートのかかったオペラ歌手に匹敵する豊かな声量を持っています。大胆なフェイクやスキャットを取り入れた歌唱力を持ち味としています。ジャズヴォーカル史上、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドと並ぶ女性ジャズヴォーカリスト御三家の一人と言われています。

 本名は、Sarah Lois Vaughn。アメリカ ニュージャージー州ニューアーク出身。1942年のアポロシアターのアマチュア・ナイトで優勝したのをきっかけにプロの歌手になります。1947年の『It’s

Magic』が初めてのヒット曲です。1982年に発売されたライブ盤『ガーシュイン・ライブ』は、第25回グラミー賞で、最優秀女性ジャズ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を獲得し、自身初のグラミー受賞を果たします。

Ⅱ 癒しの音楽編 『ラヴァース・コンチェルト』サラ・ヴォーン

 私の中で、サラ・ヴォーンと言えば、すぐに思い出すのが、この曲です。というか、この曲しか知りません。私にとって、ジャズは、とても取っつきにくく、湿っぽい感覚や派手さがないので、あまり聴くことはありませんでした。しかし、この曲は、ジャズというより、格調高い粋なポップスを思わせる曲です。メロディーが美しく分かりやすく、親しみやすく、教科書に取り上げられるのは、当然な感じがします。子ども達が、楽しそうにリコーダーを吹いている姿を思い出します。

 あらためて、この曲を聴いてみると、彼女の声量とリズム感、難しいのに余裕綽々で楽しそうに歌っているのには、美空ひばりを思い出します。

 世にいう名曲中の名曲とはこの曲です。ネットを見ていると、小学校の時に聞いてそれ以来、このメロディーが忘れられずにいる人がたくさんいるようです。何度も聴いているうちに少しずつ曲の良さが分かる曲があります。が、この曲は、一回聞いただけで、この曲のとりこになります。もちろん、この曲自体がいいのは間違いありませんが、このアレンジで彼女が歌ったことで、最高のバージョンが出来たのだろうと思います。

 この曲を音楽の教材として永遠に残して、歌い次いでもらいたいものです。この歌に出会えた事に心から感謝したいと思います。

Ⅲ ポップスになったクラシックの名曲

 〇 『情熱の花』ザ・ピーナッツ・・・・『エリーゼのために』ベートーベン

 〇 『Jupiter』平原綾香・・・・・・・・『惑星』より「木星」ホルスト

 〇 『好きにならずにいられない』E・プレスリー・・・『愛の喜び』マルティーニ

 〇 『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』E・プレスリー・・・・『オー・ソレ・ミオ』ナポリ民謡

 〇 『真珠取りのタンゴ』アルフレッド・ハウゼ・・・・・・・『耳に残るは君の歌声』ビゼー

 〇 『悲しみのシンフォニー』シルビー・バルタン・・・『交響曲第40番第一楽章』モーツァルト

 ここに、ポップスになったクラシックの名曲を並べてみました。クラシックは、メロディーの宝庫です。ポップスにならなくても、クラシックのまま、TV等で頻繁に使われている曲は、多いです。例えば、『カルメン』の中の曲は、良く使われています。上記の曲の中で、一番よく聞くのは、『オー・ソレ・ミオ』でしょう。クラシックは、いつの間にか、聞く状況が少なりました。近くの音楽ホールでも、クラシック関連の演奏会は、数えるほどしかないようです。しかし、ベートーベンの第九だけは、いつでも、満員の大盛況のようです。ただし、年末だけですが。

 上記には、ポップスになったクラシックを紹介しました。一方、クラシックの原曲のまま、頻繁に演奏される曲は、たくさんあります。それは、『カルメン』を筆頭に、モーツァルトの『フィガロの結婚』序曲、ベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』第一楽章」やメンデルスゾーンの「夏の夜の夢~結婚行進曲」、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」、オッフェンバックの「天国と地獄~序曲」、スメタナの「我が祖国~モルダウ」、シュトラウスの「美しく青きドナウ」等々、あげたらきりがありません。

 これらの曲は、クラシックというより、今もこれからもずっと演奏され続ける、ポップスやロックに負けない現役バリバリの音楽の様な気がします。また、『ラヴァース・コンチェルト』のようなクラシックのヒット曲が出る事を待ちたいと思います。

Neospacefuu

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