『忍者マーチ』は、1967年に放送された『仮面の忍者赤影』の主題歌です。癒しの音楽編は、今まで、美しいメロディーを中心に紹介してきました。が、今回は、趣向をかえて元気ハツラツとした子供向けの音楽を紹介します。放送されたのは、私が中学生になった時分でしょうか。内容よりも、この音楽に元気づけられたような思い出があります。ただ、主人公赤影のカッコ良さと子供の忍者青影のコミカルな演技そして、赤影のピンチの時に決まって凧に乗って現れる白影のカッコ良さにも引きつけられました。曲の始まりの前に時代背景のナレーションから始まり「赤影参上」の言葉から始まる『忍者マーチ』は、子供心にカッコいいと思ったものです。
目次
Ⅰ 『仮面の忍者赤影』について
Ⅱ 『忍者マーチ』ヤング・フレッシュ、ボーカル・ショップについて
Ⅲ チャンバラ映画の楽しさについて
Ⅰ 『仮面の忍者赤影』について
『仮面の忍者赤影』は、横山光輝原作の漫画をTVで実写化したものです。全52話が、1967年~1968年にフジTV系列で毎週水曜日7時~7時半に放送されました。原作は、正統派の忍者漫画だったようですが、TVでは、怪獣やUFO等何でもありの世界観で人気を博したようです。当時は、映画でのチャンバラ映画が斜陽化し、変わってTVでのチャンバラ映画に移ったような時代だったのかもしれません。この前には『隠密剣士』や『素浪人月影兵庫』そして『三匹の侍』等に夢中になっていた方も多いかもしれません。また、30分番組の『水戸黄門』もあっていました。もっとも、白黒番組でしたが。ですから、このカラーでの実写化は、新鮮だった様な気がします。当時は、ウルトラマンが、カラーで放送された時代です。すでに怪獣ブームが始まっていたので、この怪獣を、時代劇にも取り込んだ『仮面の忍者赤影』は、ビックリ仰天でした。『ウルトラマン』に続く同時代の『ウルトラセブン』は、真面目に重厚で高尚な感じの番組だったので、『仮面の忍者赤影』に対抗した番組だったのかもしれません。兎に角、楽しさ前面と赤影のカッコ良さと血沸き肉躍る音楽は、子供心をしっかり捉えたように思えます。
Ⅱ 『忍者マーチ』ヤング・フレッシュ、ボーカル・ショップについて
この曲は、番組冒頭に始まる曲です。歌詞は、赤影・青影・白影の特徴を歌い上げる感じでできています。最初、私は、この曲は、赤影のテーマ曲だと思っていました。が、赤影には、『赤影の歌』、白影には、『白影のテーマ』という曲がそれぞれあり、それぞれ、素晴らしい曲として仕上がっています。『忍者マーチ』と『白影のテーマ』とも、作詞:伊上勝、作曲:小川寛興です。どちらも調子がよく乗りの良いリズムで明るく元気になる曲になっています。ボーカルも、男女で、歯切れよく言葉が聞き取りやすく歌ってくれています。どの曲も耳に残っていて、直ぐに口ずさめる分かりやすい曲です。ちょっと、落ち込んだ時に聴くには最適な曲と言えると思います。できたら、動画を見ながら聴くのが一番かと思います。
Ⅲ チャンバラ映画の楽しさについて
戦後、GHQの指導で、チャンバラは、残酷という事で見られなくなってしまいました。が、1950年代頃から映画やTVで見られるようになったと思います。映画では、市川右太衛門、片岡千恵蔵、大友柳太朗、東千代之介、中村錦之助、大川橋蔵、勝新太郎、三船敏郎、市川雷蔵、近衛十四郎等、キラ星のごとくたくさんの時代劇スターが登場しました。私は、TVで、主にこれらのスター達のチャンバラを見てきました。スター達の迫力ある立ち回りつまり殺陣は、私の目を奪いました。中でも、ひと際スゴイと思ったのは、大川橋蔵と勝新太郎そして近衛十四郎です。大川橋蔵は、まるで演技しながら踊りを踊ってるかのような太刀さばきです。勝新太郎は、立ち合いと居合抜きのスピード。近衛十四郎は、竹みつなのに本物の刀を操ってるかのような重厚感がありました。チャンバラは、切る方と切られる方の演技を観るものです。この間合いがピッタリあった時、見る人たちは、感動をするのだと今頃になって思うようになりました。切ってないのにいかにも切っているような迫力のある演技。本当に素晴らしい娯楽を日本は、作り上げてきた思っています。時代劇を観る機会が少なくなって来た今日、新たな時代劇スターが、出てくれればとほのかに思っています。
とは言え、残虐なシーンは、見ないように努めて行く方がいいように思いますが。あくまで、エンターテイメントとして、楽しみたいものです。
血沸き肉躍ると言えば、3月22日についに、侍ジャパンが、WBCで優勝しました。アニメや時代劇では、正義と悪の戦いになるのですが、スポーツの世界では、戦いが終われば、お互いの健闘を称えあって終わります。爽やかな終わりは、観ている方も双方の健闘を祝福したくなります。ある日本人選手が、「大谷選手が9回にクローザーとしてゆっくり出て来る姿を観て、夢を観ているようだった。」というような事を話していました。自分たちの力を出し切り正々堂々と精いっぱいプレイする姿は、視聴者である私も、夢を観ているような場面でした。一方ウクライナでは、未だに戦闘が続いています。ロシアやウクライナの人達が、こういう平和の祭典に出て来る事を祈りながら、このブログを閉めたいと思います。