癒しの音楽編 『スーダラ節』植木等

『スーダラ節』は、植木等さんが歌ったコミックソング。昭和初期の歌でハナ肇とクレイジーキャッツと植木等さんが爆発的人気を得るきっかけとなった曲です。1961年にリリースされ、累計売り上げは80万枚だそうです。私は、当時6歳ですので、TVでクレージーキャッツの映画や音楽関係の番組でこの曲を知るようになったのだと思います。1990年にこの曲をメインにした『スーダラ伝説』がヒットしたため、そのCDを購入した事を覚えています。この年に植木等さんは、この曲で23年ぶりに紅白歌合戦に出場をし、歌手別視聴率ランキングで第一位(56.6パーセント)を記録しています。

目次

Ⅰ 植木等さんについて

Ⅱ 癒しの音楽編 『スーダラ節』植木等について

Ⅲ コミックソングについて

Ⅰ 植木等さんについて

  植木等(うえき ひとし本名1927~2007)さんは、日本の俳優、歌手、タレント、ギタリスト、コメディアンです。ハナ肇とクレイジーキャッツのメンバーです。父植木徹誠さんと母いさほさんの三男坊として名古屋市に生まれます。父親が僧侶であった事から、1939年に僧侶としての教修をすべく東京の真浄寺へ小僧となるために上京。中学を卒業後東洋大学専門部国漢に入学し、バンドボーイのアルバイトを始める。その事が、やがて、クレージーキャッツ入団へのきっかけになるようです。また、植木等さんは、ギターを独学で学んだり、1954年からオペラ歌手の平山美智子さんから声楽を学んだりします。その事が、『スーダラ節』へつながるとは、本人も気付かなかった事だろうと想像します。

 『スーダラ節』の歌に植木さんは戸惑い、父親に相談し、植木さんは、父親の前でこの歌を歌ってみせます。ところが、父親は、「素晴らしい」と涙を流さんばかりに感動したそうです。啞然とする植木さんがその理由を尋ねると「この歌詞は、我が浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の教えそのものだ。親鸞さまは、90歳まで生きられて、あれをやっちゃいけない、これをやっちゃいけない、そういうことを最後までみんなやっちゃった。人類が生きている限り、この分かっちゃいるけどやめられないという生活はなくならない。これこそ親鸞聖人の教えなのだ。そういうものを人類の心理というんだ。上出来だ。頑張ってこい。」 と諭されたそうです。植木さんは、この歌を歌う事を決意しました。このエピソードは、植木さんが歌手として生きていくうえで、生涯の支えとなったそうです。植木さんは、本来真面目一途な性格だったらしく、その人がこういう歌を歌い続けて行くのですから、植木さんにとっては、金言だったに違いありません。

 クレイジーキャッツの映画が立て続けにヒットした後ドルフターズが出てきて、クレイジーキャッツの人気は低迷します。1972年に「シャボン玉ホリデー」が終了すると、クレイジーキャッツのメンバーは、個人での活動を主体としていくようになります。植木さんも始めは、喜劇役者という感じで活動しますが、段々シリアスな感じの役が多くなったようです。

 とは言え、植木さんの特徴が良く出ているのは、あの高笑いです。どんな困難な状況でも植木さんの高笑いを聴けば、なんだか大丈夫な気がしたものです。

Ⅱ 癒しの音楽編 『スーダラ節』植木等について

 この曲は、1961年にレコード化され、ハナ肇とクレイジーキャッツ、とりわけ植木等さんが、爆発的人気を得るきっかけとなった曲です。作詞は、青島幸男。作曲は、萩原哲。青島幸男さんは、元東京都知事なので、良くご存じかと思います。累計売上は、80万枚。元々は、『こりゃシャクだった。』がA面だったそうですが、B面のこの曲がヒットしたため、後で、A面とB面が入れ替わりました。

 作曲者の萩原さんは、植木さんの口癖「スイスイスーダラダッター」のフレーズをメロディーにして残りの部分を作曲したそうです。この話、志村けんの『東村山音頭』とちょっと似ている感じがします。『東村山音頭』は、元々、三橋美智也が歌っていたそうです。それを、ドリフの「8時だよ。全員集合」の名物コーナーである少年少女合唱隊で、志村けんさんが、この曲をリメイクして人気に火が付きヒットしました。志村けんさんは、将棋をさすとき、この曲をよく歌っていました。それを聞いたいかりや長介さんは、この歌をネタにした事で、こういう事になったそうです。植木さんの口癖と志村けんさんの将棋をさす時のそれぞれの歌が、人生を変えるヒットにつながるとは、本当に、不思議です。

  •  チョイと一杯の つもりで飲んで

     いつの間にやら ハシゴ酒

     気がつきゃ ホームのベンチでゴロ寝

     これじゃ身体に いいわきゃないよ

     分かっちゃいるけど やめられない

 一番の歌詞だけ、載せました。昔は、こういう姿をよく見ました。兎に角、酔っ払いが多かった。都会では、こういう人を今でも見るのかもしれませんが、田舎では、ほとんど見かけなくなりました。しかし、コロナが流行ってから、家にこもる人が増え、酒屋の売り上げが増えたという話を聞いたことがあります。ベンチでゴロ寝するよりはこの方がいいのかもしれませんが、くれぐれも深酒しないようにしたいものです。「酒は百薬の長」と言いますが、それは、節度のある飲み方をする時だけだろうと思います。ある人の話では、全く、薬にならないという話を聞いたりもします。

 とは言え、人間、あれがダメこれがダメと言われ続けると、余計我慢できなくなります。たまに深酒することがあっても、自分をあまり責めるのではなく、「人に迷惑をかけていないんだったら、良しとしよう。」ぐらいの気持ちでいたほうがいいのかもしれません。もし、深酒を繰り返し、周りに迷惑をかけ続けているのなら、早めに精神科か心療内科に行った方が良いでしょう。くれぐれもそうならないように、この曲を聴いて酒に酔った気分を味わいましょう。私は、下戸なので、酒が全然ダメです。ですが、酔った気分を味わいたい時は、この歌を聞きます。そして、羽目を外す気分を味わえばいいと思うのですが。

Ⅲ コミックソングについて

 こういう歌を聴くと、『帰ってきたヨッパライ。』や『老人と子どものポルカ』、『ズンドコ節」を思い出します。歌のないオーケストラで言うと、ルロイ・アンダーソンの『タイプライター』や『踊る子猫』、『シンコペイテッド・クロック』等は、高尚で品があり、今でも良く演奏されます。多分聞かれたら、ああ、聞いたことあると思われると思います。聴けば、思わず笑みが零れるような曲です。ロック等のライブで、エレキやベース音を極限に大きくし、客は、若者ばかりで立ったまま、リズムに合わせて跳び跳ねるのもいいですが、疲れてしまうのは私だけでしょうか。

 音楽は、人を楽しませ、癒すものです。クラシック等の真面目な感じやロックを中心としたエレキやベース音もいいですが、こんな曲が巷にたくさん流れるのもいいと思うのです。今段々、こういう曲が聞かれなくなったのは残念な気がします。楽団を運営するのは、莫大な費用が掛かります。電子音楽等で音作りをするのは、クラシック等に比べると、人材が遥かに少なくて済むので費用も少なくて済みます。私は、どちらかというとクラシックのコンサートに行く事が多いです。アンプをあまり使ってないので、ロックコンサートのように大きな音はありませんし、予定通りのプログラムできちんと進行します。そのコンサートで、このコミックソングのようなくだけた音楽を聴くと随分楽しめます。音楽は、色んな分野の音楽があります。今日紹介した音楽は、思わず笑ってしまうコミックソングの金字塔とも言うべき植木等さんの『スーダラ節』を中心に紹介しました。何かつまらないなあと思う時、こういう音楽を聴けば、少しは、明るくなるのではと思います。ということで、次回は、ルロイ・アンダーソンの楽曲を紹介できればと思います。

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