癒しの音楽編 『G線上のアリア』バッハ

今回は、本来の癒しをテーマに一人で寛ぐ為の音楽を紹介します。かつて紹介した『パッヘルベルのカノン』と同じ時代に活躍した大作曲家バッハの『G線上のアリア』を紹介します。この曲は、『パッヘルベルのカノン』もそうでしたが、卒業式に良く使われる楽曲です。

目次

Ⅰ ヨハン・ゼバスティアン・バッハについて

Ⅱ 癒しの音楽『G線上のアリア』バッハについて

Ⅲ 弦楽器は、近くで聞くと?

Ⅰ ヨハン・ゼバスティアン・バッハについて

 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)は、ドイツの作曲家、オルガニストです。バロック音楽の重要な音楽家の一人で、鍵盤楽器の高名な演奏家でもあり、即興の演奏家でもあります。日本では、『音楽の父』とも呼ばれています。バッハというと直ぐに思い浮かべるのは、上の写真とサラ・ボーンの歌唱で有名な『ラバース・コンチェルト』でしょう。この曲は、音楽の教科書にも載っているので知らない人はいないのではないかと思います。その他に『マタイ受難曲』や『ミサ曲ロ短調』が有名だそうですが、名前だけ知っていて、まともに聞いたことがありません。後知っているのは、ピアノ曲で使われる『ガボット』くらいです。

 バッハの家族は、音楽一家であったようです。バッハが、音楽に対する興味を示すエピソードとして、幼少期に兄ヨハン・クリストフが所有するたくさんの楽譜を黙って夜な夜な写譜して、兄にその事を知られてその写譜した楽譜を没収されてしまう事があったそうです。また、ボーイソプラノであったバッハは、15歳当時、合唱隊のメンバーとして活動していました。が、変声期のためボーイソプラノとして歌うことが出来なくなりますが、ヴァイオリンやビオラ等を演奏できたことで楽団の中で活動を続けられたそうです。それにしても、バッハの才能は多岐にわたり、何が起こっても音楽の世界で生きていけたという事のようです。バッハの才能は、当然、当時の宮廷関係の著名人にとって、魅力的だったに違いありません。今でいう引き抜きの誘いがたくさんあったようです。

Ⅱ 癒しの音楽『G線上のアリア』バッハについて

 この曲は、バッハが作曲した『管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068』の第2曲『エール』をドイツのヴァイオリニストであるアウグスト・ウィルへルミがピアノ伴奏つきのヴァイオリン独奏のために編曲したものの通称です。クラシックは、題が何とも形式的で難しく何が何だか分かりませんが、こういうように通称をつけてくれると分かりやすいです。

 この通称は、バッハの元の題名で分かる通り、ニ長調だったのですが、これを、ウィルヘルミがハ長調へ移調を行ったため、ヴァイオリンの4本の弦の最低音の弦、G線だけで演奏できる事から、この題名がついたそうです。

 先に書いた通り、この曲は、『カノン』と一緒に卒業式の授与式の時に良くBGMで流されることがよくありました。といっても、私が、小学校に勤務している時の事ですから、今は違う曲をBGMで流しているのかもしれません。

 荘厳の中に落ち着いた雰囲気を持つこの曲は、心を洗われる様な気がします。まるで、今までの罪を全て流してくれるような感じさえします。卒業式に使うのには、ピッタリの楽曲です。

 音楽は、スマホやパソコンで古今東西の音楽を無料で聴くことが出来るようになりました。デジタルの社会では、自由自在に音楽を聴くことが出来ます。ただ、私が昔聴いていたステレオで聞くことは出来ません。ステレオで聞く空間を包み込んでしまうようなアナログの迫力はありませんが、いつでもどこでも音楽を聴けるようになりました。が、聴く私達が、音楽を雑にいい加減に接しているような気がします。レコードを聴くとき、レコード盤の溝を傷つけまいと細心の注意をし慎重に針を降ろして聴いていました。最近では、レコードが復刻し、レコードプレイヤーも購入することが出来ます。今私は、残念ながらレコードプレイヤーを持っていません。いつか、この曲をレコードで聴く日を待ちたいと思います。

Ⅲ 弦楽器は、近くで聞くと?

 皆さんは、弦楽器、特にユミで弾く弦楽器(ヴァイオリンやヴィオラ、チェロ等)を生で聴いたことがありますか?私は、合唱団にいたため、オーケストラと一緒に演奏することもありました。合唱団は、オーケストラのすぐ後ろに配置される事が多いです。私は、ベースですので、オーケストラのコントラバスの後ろに位置します。コントラバスの弦は、長く太いので、弦が揺れるような響きがずしんときます。その向こうから、ヴァイオリンやビオラの高く繊細な絹のような音が、優しく響くのです。ヴァイオリンの魅力に引き込まれた私は、ヴァイオリンを購入しました。もちろん、初めて弾くのでまともな音が出ません。まともな音が出ないなりに弾き続けていくと、ある事に気づいたのです。ステレオやデジタルで聞く音と実際の音があまりに違うということです。もちろん、下手くそなので、比べる事自体無理があるのですが、黒板を爪でこすっているような、嫌な音が聞こえるのです。何度も挑戦し、あの綺麗な音が出せないか頑張ってみました。が、ついにあきらめ、物置の奥に収まったままになっています。

 ヴァイオリンを弾くとき、耳は、弦のすぐそばにあります。弦と弓のこすれる音がすぐに耳にとどくのです。この擦れ合う音が直接耳にとどくのですから、違和感があるのです。ちょうど、虫の声を遠くで聴くのとすぐそばで聴くのと似ているのです。弦楽器も虫の声も少し離れて聴く方が美しく聴こえるようです。そういえば、自分の声にしても、自分の声を録音して聞いてみた時、自分の声がこんな声だったのかとビックリしたことがあります。音は、近くで聴くのと遠くで聴くのとでは、随分違う印象になるようです。音楽を聴く時、特に生で音楽を聴く時、S席というものがあります。この席は、音楽を聴くのに最適な場所であるから、料金も高くなります。いつもS席で聴きたいものですが、そうはいかないのが、現実というところでしょうか。

NeoSpacefuu

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